みなさんこんにちは。シタマチです。(下町バットマンから改名)
オスカーを獲得したことに異論のない、アメリカが未だに抱える差別の問題を上手くエンターテイメントに昇華した名作でした。
助演男優賞を獲得したマハーシャラ・アリはもちろん、ぼく的には主演を演じたヴィゴ・モーテンセンにも拍手を送りたいと思います。
また、難しい差別というテーマをブラックユーモアを用いてエンタメに昇華しつつも、社会的に伝えなくてはいけない部分はきちんと伝えてくれた監督の脚本、脚色力にも拍手を送りたいと思います。
グリーンブックに携わったスタッフ・キャストのみなさま、アカデミー賞獲得、本当におめでとうございます。
この記事では、
を紹介していきます。
ネタバレ全開の感想記事です。自己責任でお読みください。
目次
【ネタバレ】「グリーンブック」の作品概要
あらすじ
1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。
黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。
引用:映画.com
本作は第91回アカデミー賞で作品賞を獲得しました。
キャスト・スタッフ紹介
- 制作国 アメリカ合衆国
- 公開年 2019年
- 上映時間 130分
- 配給 ギャガ
- 監督 ピーター・ファレリー
- 脚本 ニック・ヴァレロンガ/ピーター・ファレリー/ブライアン・クリー
- キャスト ヴィゴ・モーテンセン/マハーシャラ・アリ
監督は「メリーに首ったけ」や「ムービー43」で知られるピーター・ファレリー。
彼は第91回アカデミー賞で脚本賞を受賞しています。
主演を演じるのは「ムーンライト」で知られるマハーシャラ・アリと「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで知られるヴィゴ・モーテンセンです。
マハーシャラ・アリは第91回アカデミー賞で助演男優賞を獲得しました。
採点
評価基準
- S・・・・・これぞ後世に語り継がれていく名作!!DVDも買う!
- A・・・・・素晴らしかったです。DVDでたら借ります。
- B・・・・・まあ、普通。
- C・・・・・微妙。人にはオススメしない
- F・・・・・ふざけんな!金返せ!!!
【ネタバレ】「グリーンブック」の主要登場人物
トニー・リップ/ヴィゴ・モーテンセン
本作の主人公。
イタリア系のアメリカ人で、クラブの用心棒として働いていたが、紆余曲折ありドクの運転手となる。
最初は黒人を差別的な目で見ていたが、ドクと接していくうちに差別の愚かさを身に知り、最後はドクと友情を築く。
実在した人物で、2013年に死去。
ドクター・シャーリー/マハーシャラ・アリ
孤高の天才ピアニスト。
幼い頃からからピアノを習い、現在は天才ピアニストとして世間から認められ、成功している。
しかし、白人からはもちろん、当時、上流階級の黒人がほとんどいなかったため、同じ黒人からも差別的な目で見られていた。
運転手として雇ったトニーと、差別が激しい南部のツアーに参加し、そこで彼と友情を育んでいく。
彼も実在した人物でトニーと同じく2013年に死去。
【ネタバレ】「グリーンブック」のラストの展開
舞台は黒人差別が当たり前だった1962年のアメリカ。
当時のアメリカは南部を中心に、黒人と白人には大きな壁があり、黒人しか入れない専用の飲食店や宿、トイレがたくさんあった。
クラブの用心棒として働いたイタリア系アメリカ人のトニーは、勤めていたクラブが改装工事を行うため一時的に職を失う。
粗暴と口が悪く、腕っ節しか取り柄のないトニーは、家族を養うためにフードファイトや質屋での借金などでその日ぐらしの生活をしていたが、ある日一件の仕事が舞い込む。
それは黒人天才ピアニスト・ドクター・シャーリー(以下ドク)の南部ツアーの運転手兼用心棒だった。
だが、当時の南部での黒人差別は激しく、黒人=奴隷という図式まで成り立つほどで、一時は仕事を断るトニー。
しかし、好条件の給与やドクの願いもあり、乗り気でないながらも仕事を承諾するトニー。
こうして性格が正反対の2人はNYから南部のコンサートツアーに向けて旅を始めるのであった。
コンサート中は富裕層を相手にするため問題なく進んでいくが、一度街にでるとそこは差別が横行する社会。
ドクは街の白人に絡まれ暴行にあったり、差別的な目的で警察に捕まるなど様々なトラブルに巻き込まれていく。
また、ドクは同じ黒人からも差別的な目で疎まれていた。当時、上流階級の職につき、上流階級の服をきて生活する黒人はほぼゼロに等しかったのだ。
しかし、その度にトニーが助けに入り孤独だったドクはトニーに心を開いていき、性格が正反対の2人は徐々に打ち解けていく。
そうしてコンサートツアーを続けていくうちに、ドクはトニーから「世間の価値観や肩の力を抜いて生きること」、トニーはドクから「品性や教養」を学んでいき、お互いがお互いの長所を生かして、短所を補っていくのであった。
そして、2人はクリスマス前夜のラストステージのために会場入りするが、そこでも露骨な差別にあってしまう。
いつもなら真面目に大人の対応で、どんな差別でも冷静に対処していたドクだったが、今回は仕事をキャンセルし、トニーと勝手に会場をでる。
トニーとの関係が、良い意味でドクをいい加減な人間にした瞬間だった。
そして、2人は庶民的な黒人の集まるバーに入り、酒を交わす。
最初はいつも通り、黒人からも色物で見られるドクだったが、そこで彼は理性を吹っ飛ばし、得意のピアノで客を沸かせる。
ドクが初めて同じ仲間である黒人の輪に入った瞬間だった。
こうして2人はクリスマスにNYに戻り、トニーの家でクリスマスパーティーを楽しみ物語は幕を閉じる。
エンドロールではその後2人は生涯友情を育んでいき、最期は同時期に亡くなったというテロップが入る。
【ネタバレ】「グリーンブック」の感想
【全体の感想】オスカー獲得おめでとう!
いやぁー、よかったです。
アカデミー賞作品にふさわしい名作ですよ。これは。
口と粗暴は悪いが、どこか憎めない主人公でイタリア系とトニーと、才能と教養を兼ね備えた孤高の黒人ピアニストのドクター・シャーリーのバディー・ロードムービー。
舞台は黒人差別が日常となっている1962年のアメリカ南部が舞台で、黒人だけ使用できるお店や宿が記載された「グリーンブック」を片手に、正反対の性格の2人が南部の街をツアーで回るというもの。
21世紀に入っても保守的で差別が色濃く残るアメリカの南部ですが、1960年代は今の何倍も激しい黒人差別が横行しており、「白人と黒人は違う生き物」として考えられていため、飲食店、宿泊施設、トイレすべてが分けられていました。(もちろん黒人用は酷い有様)
そんな状況では個人的な醜い差別はもちろん、周囲の悪い意識に汚染された南部の人々は「無意識な差別」を繰り返していたのです。
本作はそんな実在した哀しい歴史を、時に残酷に、時にブラックユーモアを加えて、エンターティメントに昇華した作品になっています。
ただ、本作の1番の良さはそういった歴史的背景もさながら、トニーとドクの友情、そして彼らの成長であることは間違いありません。
物語が進むにつれてトニーはドクから「才能と教養」を学び、ドクはトニーから「世間と愛」を学ぶ。
それを象徴するかのように、トニーは品位を保ち自分の意見を持って黒人と接するようになり、ドクは自分の殻を破って黒人の輪に入ってピアノを弾いたわけです。
また、エンドロールで彼らのその後を知ることができ、故人となるまで2人は友情を育み、同じタイミングでこの世を去ったことを知ることができます。
天国でもグリーンブック片手に2人で旅でもしてるのでしょうかね。
でも、アメリカの差別は未だに続いているという現実
この映画を見て「昔は大変だったんだね」では終わっていけないほど、アメリカの人種差別は未だに続いています。
「映画 デトロイトの感想」でも触れましたが、21世紀に入ってもアメリカでは黒人は差別の対象に入っており、さらには我々と同じアジア人も虐げられているといった現実が存在しています。
「知っていますか?黒人というだけで白人の警官に撃たれ、丸腰で殺された黒人がたくさんいることを」
「知っていますか?その黒人を撃った白人警官の99%が無実になっていることを」
「知っていますか?アジア系の子供達が学校で白人の子供達にいじめられていることを」
だから、未だにこういった差別に対して疑問符を投げかける映画がたくさん作られ、そしてアカデミー賞でノミネートされているのです。
やっぱりこういった作品はいつの時代も必要なんです。
そして、未だに差別と戦っている人たちやこういって警告を慣らすために作品を撮り続けている人たちを、ぼくはブログを通じてですが、応援していきたいと思います。
物語の中盤では、アジア人のバーテンダーが白人の客に「黙れ!」と吠えるシーンがありましたが、本作で監督が本当に伝えたかった真意はあそこにすべて含まれてると思いましたね。
いつまでも自分たちが正解の中心とは思うなよ。
実在したドクター・シャーリーについて
物語のエンドロールでは、本作の主人公トニーとドクター・シャーリーことドクのその後が画像と共に解説されており、2人が実在したという事実が描かれています。
彼らの友情が素晴らしいのはもちろん、やはりああいった良識が通じない激動の時代に才能を開花させ、自分のピアノの才能で世間を黙らせたドクター・シャーリーには尊敬の念しかありません。
ピアノの世界で成功するだけでもすごいのに、彼は差別とも闘っていたわけで、そんな中で反骨精神を出せる彼のタフさには学ぶものがたくさんありました。
「暴力は弱者の者で、品位を貫いてこそ勝ちなのだ」
どんな状況下でも怒りに逃げず、自分と戦い続け、成功を掴んだドクター・シャリー。
社会人になったいまだからこそ、彼の心情は参考にしていきたいと思いましたね。
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