みなさんこんにちは。下町バットマンです。
原点回帰ということで、初期の「エイリアンシリーズ」のような、ホラー要素てんこ盛りのサバイアクションに仕上がっています。
前作「プロメテウス」よりは分かりやすいものの、真新しさはなく、既視感のあるシーンや演出ばかりで、正直飽きがきてしまいましたね。
また、謎を多く残し終了したため、消化不良感は否めないです。
単品でも楽しめますが、前作「プロメテウス」と「エイリアン1、2」を鑑賞してから映画館に足を運ぶことをおすすめします
ここでは、
- 作品の概要
- 登場人物紹介
- あらすじ/結末
- ネタバレ感想
- 作品解説
を紹介していきます。
ネタバレ全開の感想記事です。自己責任でお読みください。
目次
「エイリアン:コヴェナント」の作品概要
あらすじ
滅びゆく地球から脱出し、人類移住計画を託された宇宙船コヴェナント号には、カップルで構成された乗組員が搭乗していた。やがて人類の新たな楽園となるであろう未知の惑星にたどり着いたコヴェナント号だったが、そこには想像を絶する脅威が存在していた。その恐怖を目の当たりにした乗組員たちは、命からがら星からの脱出を試みるのだが……。
引用:映画.com
オリジナルのエイリアンシリーズはこれまでに8作品公開されており、時系列は以下のようになります。
- 「エイリアンVSプレデター」(2004年/2004年公開)
- 「AVP2 エイリアンズVS.プレデター」(2004年/2007年公開)
- 「プロメテウス」(2089年-2093年/2012年公開)
- 「エイリアン: コヴェナント」(2104年/2017年公開)
- 「エイリアン」(2122年/1979年公開)
- 「エイリアン2」(2159年-2179年/1986年公開)
- 「エイリアン3」(2270年/1992年公開)
- 「エイリアン4」(2470年/1997年公開)
本作「エイリアン:コヴェナント」と前作「プロメテウス」は「エイリアン1〜4」の前日譚になります。
また、上記以外にもエイリアンと名のつく作品は数多くありますが、どれもオリジナルシリーズとは全く関係がありません。
キャスト・スタッフ紹介
- 制作国 アメリカ合衆国
- 公開年 2017年
- 上映時間 122分
- 配給 20世紀フォックス映画
- 監督 リドリー・スコット
- キャスト マイケル・ファスベンダー/キャサリン・ウォーターストン/ジェームズ・フランコ/ノオミ・パラス/ガイ・ピアース
監督は「エイリアン」シリーズの生みの親であり、「オデッセイ」などで知られるSF界の巨匠リドリー・スコット。
主人公を演じるのは「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」でヒロインを演じたキャサリン・ウォーターストン。
また、前作に引き続きアンドロイド役としてマイケル・ファスベンダーも出演しています。
採点
評価基準
- S・・・・・これぞ後世に語り継がれていく名作!!DVDも買う!
- A・・・・・素晴らしかったです。DVDでたら借ります。
- B・・・・・まあ、普通。
- C・・・・・微妙。人にはオススメしない
- F・・・・・ふざけんな!金返せ!!!
採点 B
こんな人におすすめ!
- 「エイリアンシリーズ」のファンの方
- 前作「プロメテウス」を楽しめた方
- サバイバルアクションが好きな方
「エイリアン:コヴェナント」の主要登場人物
ダニエルズ/キャサリン・ウォーターストン
本作の主人公。
人類移住計画の責任者。
序盤に夫のジェイコブを事故で失くす。
性格は冷静でたくましく、獰猛なエイリアンに立ち向かっていく。
最後まで生き残り、デヴィッドの恐ろしい計画に気づくも、コールドスリープによって眠らせてしまう。
デヴィッド(ウォルター)/マイケル・ファスベンダー
前作「プロメテウス」に登場したアンドロイド。
エリザベス・ショウ博士と共に、人間の創造主でもあるエンジニアの故郷(本作の舞台の惑星)に降り立ち、彼らを病原体を使って滅ぼした。
また、ダニエルズたちが現れる10年の間にエイリアンを産み出す実験を行い、実験台にされたショウ博士は死んでしまう。
最初は親切なアンドロイドとしてダニエルズたちを助けるも、最後は本性を現しコヴェナント号を乗っ取る。
ウォルター/マイケル・ファスベンダー
コヴェナント号に同伴したアンドロイド。
容姿がデヴィッドと瓜二つなのは、共にウェイランド・コーポレーションによって製造されたから。
デヴィッドの後に作られたため、知能や戦闘能力はデヴィッドよりも優れており、暴走することもない。
最後はダニエルズを助けるも、デヴィッドに殺され、身体を奪われてしまう。
「エイリアン:コヴェナント」のラストまでの展開・結末
ラストまでの展開
滅びゆく地球を飛び出し、第二の地球を発見するため、複数の乗組員(カップル)とアンドロイド・ウォルター、そして2000人の入植者を乗せたコヴェナント号は、オリガエ-6という惑星に向かっていた。
しかし、惑星を形成するフレアの影響で、コヴェナント号は激しく損傷。
その影響でコヴェナント号の船長で、人類移住計画の責任者ダニエルズの夫ジェイコブは死んでしまう。
悲しみにくれる乗組員たちだったが、ジェイコブの後任オラム船長は乗組員たちをまとめていく。
すると突然謎の惑星から信号をキャッチ。その惑星の環境が地球に近いことから、一同は目的地を後回しにし、降り立つことに。
地形や環境は地球にまったく近いものの、生物の面影がまったくない。そして捜索を続けるダニエルズたちは巨大な宇宙船を発見する。
しかし、2人の乗組員が謎の黒い粉を吸ってしまったことで事態は急変。
2人は突如意識を失い、体内から謎の白い生物(以下ネオモーフ)が突き出し、乗組員達を襲撃していく。
追い詰められていくダニエルズたちだっが、そこに謎の男が現れ乗組員たちを隠れ家へ避難させる。
謎の男の正体はプロメテウス号に搭乗していたアンドロイド・デヴィッドで、同伴していたエリザベス・ショウ博士は着陸の際に死んでしまったと一同に告げる。
また、彼は創造主が同じのアンドロイド・ウォルターを兄弟と認め、彼にある秘密を告げる。
実はこの星はエンジニアと呼ばれる人間の創造主の故郷であること。
デヴィッドとショウ博士はプロメテウス号で降り立ったLv.223という惑星で調査を行った際に、エンジニアに襲われ仲間を失ったこと。
そして、エンジニアが人類を滅ぼそうとしていることを知ったデヴィッドたちは、エンジニアの宇宙船を使って彼らの故郷へ飛び、そこで謎の病原体をばら撒き、彼らを滅ぼしたと話す。
一方、母船の救援を待つことになるダニエルズたちだったが、そこにネオモーフが現れ、彼らを襲撃し何人か命を落とす。
オラム船長が撃退するも、それを見たデヴィッドは怒りを表し、オラム船長をとある場所へ呼び出す。
そこには無数の卵(エイリアンエッグ)があり、オラム船長はそこから産まれた生物(フェイスハガー)に襲われる。
そして、そこからエイリアンの幼体が誕生するのであった。
結末
ダニエルズ達は母船との通信を成功させ、惑星から脱出することに。
しかし、オラム船長を捜索しにいったダニエルズはそこでデヴィッドの秘密をしることに。
実はデヴィッドは持ち込んだ病原体(黒い粉)とエリザベス・ショウ博士の体を使って人体実験を行い、エイリアンや卵を製造していたのだ。
本来アンドロイドが暴走することは無いのだが、デヴィッドは自我をもち、自分が創造主となるため、人間を使って大量のエイリアンを産み出そうとしていたのだ。
しかも運悪くそこにデヴィッドが現れ、ダニエルズを襲撃。しかし、ウォルターが助太刀に現れ、ダニエルズを外へ脱出させる。
外にでて母船を呼び出したダニエルズ達。そこにデヴィッドを倒したウォルターも合流し、一同は母船に乗り込む。
しかし、そこにエイリアンが現れ船を襲撃するが、力を合わせ追い払うことに成功する。
なんとか惑星を抜け出し、宇宙まで逃げることに成功するが、船内にもう一匹エイリアンが潜んでおり、ダニエルズとパイロットのテネシー、そしてウォルター以外殺されてしまう。
そこで、ダニエルズ達は力を合わせエイリアンをエアロックにおびき出し、外へ放出することに成功する。
安堵した一同は、本来の目的地オルガエ-6に向かうため、コールドスリープすることに。
その際、ダニエルズはウォルターの言動から、彼がウォルターの体を乗っ取ったデヴィッドであることを見抜くものの時すでに遅し。
ダニエルズはデヴィッドによって眠らされてしまう。
デヴィッドは隠し持っていたエイリアンの幼体とフェイスハガーを保管し、そして大量の実験材料を得たことに歓喜するのであった。
【ネタバレ】「エイリアン:コヴェナント」の感想
【全体の感想】中途半端で難しい作品
原点回帰した印象をうけ、前作「プロメテウス」より内容は分かりやすいですか、その反面、進歩や斬新さはなく、リドリー・スコット監督の限界を感じました。
面白くもなければ、つまらなくもない、何とも中途半端な作品になっています。
物語のながれは
- 謎の信号をキャッチし未知の惑星に降り立つ
- 探索
- 謎の生物の襲撃にあう
- ウェイランド社のアンドロイド暴走
- エイリアンとの対決
といったような流れで、初期の「エイリアンシリーズ」のプロットと同じです。
シリアスな雰囲気や手に汗握るサバイバルアクションなど、作風は初期シリーズに近いので、前作「プロメテウス」でげんなりしたファンもまずは納得できるかと。
また、主人公を演じたキャサリン・ウォーターストンがタンクトップ姿で機関銃を振り回す様は、完全にシガニー・ウィーバーのオマージュで、他にもいくつか初期シリーズファンには嬉しい演出が施されています。
しかし、映像技術が発達しただけで、内容は約40年前とほとんど変わっておらず、僕のように飽きがきたファンもいるかと。
また、前作「プロメテウス」よりは楽しめるものの、未だに説明不足な点があるので、本作から入った方は困惑すると思います。
後述しますが、2018年に続編が公開するので、そこですべての謎が解明されることを祈りましょう。
BL、マイケル・ファスベンダーファンは歓喜間違いなし!?
引用:映画.com
ただ、今までと違う点を挙げるとするならば、乗組員たちをサポートするアンドロイドが2体でてくる点と、BL描写がある点。
前作にも登場したマイケル・ファスベンダーは、本作で2代のアンドロイド(ディヴィッド/ウォルター)を演じています。
しかもその2体が妙に体を密着させたり、キスをしたりと世の腐女子が歓喜間違いなしのサービス付き。
たしかにマイケル・ファスベンダーは妙に色っぽいし、無機質なアンドロイド役がハマっていて、変態的なシーンでも違和感ゼロ。
本作の乗組員の中には、ゲイカップルも出てくるので、リドリー・スコット監督なりにLGBT問題に向き合ったのでしょう。
それでも本作の客層はほとんど男性なので、日本ではあまり意味がない演出だとかんじました。
そもそも「エイリアンシリーズ」はそこまで面白くない!?
「ターミネーター」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同じく、「エイリアンシリーズ」も幼い頃から鑑賞してきたのですが、ぶっちゃけそこまで面白いと思ったことはないんですよね。
公開当初は斬新だったプロットや演出も、いろんな作品で使い回されてしまったからか驚きはしないし、胸熱な人間ドラマもほぼないですかね。
傑作といわれるだけあって「エイリアン2」は面白いですが、それ以外の作品はB級だと思っています。
ちなみに、補足しておくと初期シリーズの主人公リプリー(シガニー・ウィーバー)は本作ではすでに生まれており、地球で暮らしているそうです。
【#エイリアンの衝撃】
君は知っているか。『エイリアン:コヴェナント』の時代設定である2104年、『エイリアン』シリーズを通じての主人公エレン・リプリーはまだ地球に暮らす12歳の少女であることを。そして18 年後、ノストロモ号の航海士としてエイリアンに遭遇するのだ。 pic.twitter.com/NDdWqHqe1t— 20世紀フォックス映画 (@foxjpmovie) 2017年9月13日
「エイリアンシリーズ」は、内容は微妙ですが、リプリーのような戦う女戦士像を築きあげ、普及させた点は素晴らしいと思っています。
「ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のように、本作で若き頃のリプリーを復活させてほしかったですが、それは続編に期待したいと思います。
【ネタバレ】「エイリアン:コヴェナント」の作品解説
「エイリアン:コヴェナント」 タイトルの意味
コヴェナントという英単語には、
- 契約
- 約束
- 聖約
といった意味があります。
元々本作のタイトルは「Alien:Paradise Lost(失楽園)」で、この「失楽園」というのは悪魔の王サタンを主人公にした物語。
この物語では神に反抗する者たちが描かれており、前作と本作はこの「失楽園」をモチーフにしたと言われています。
そのため、
- 「プロメテウス」では人間がエンジニア(創造主)に反抗
- 「コヴェナント」では、アンドロイド・デヴィッドが人間(創造主)に反抗
といったストーリーになっているのです。
また、失楽園の元ネタは旧約聖書の「創世記」といわれています。
本作にはそれだけ壮大なテーマが含まれているのです。
ウェイランド・コーポーレーションとは?
/
あなたにぴったりのアンドロイドは❓
\
ウェイランド=ユタニ社が、あなたの性格と生体識別マーカーを分析し、あなたにぴったりのウォルターを見つけます。どんなタイプのアンドロイドに出会えるのでしょうか? #エイリアン診断を始める👉https://t.co/f2gCmp46oopic.twitter.com/x4bSAF2iZE
— 20世紀フォックス映画 (@foxjpmovie) 2017年8月4日
「エイリアンシリーズ」に必要不可欠な巨大企業ウェイランド・コーポレーション。
スピンオフからオリジナルまで、すべてのエイリアンシリーズに登場する企業で、「エイリアン1〜4」では日本の企業と合併したため、ウェイランド・ユタニ社という社名で登場します。(正確には4では軍に吸収されている)
表向きは莫大な資金を活用して、宇宙船やアンドロイドの製造、科学者たちへの出資を行っていますが、裏ではエイリアンを捕らえ、軍事活用しようと暗躍。
そのため、歴代シリーズの主人公たちは毎回ウェイランド社の陰謀に巻き込まれ、エイリアンに襲われてきました。
本作にはウェイランド社の正式名称が出てこないので、どこまで関与していたかは謎です。
序盤に登場した黒服男性の正体
物語の序盤で、アンドロイドのデヴィッドに「お前を作ったのは私だ!」といった黒服の男性は、ウェイランド・コーポレーションの社長ピーター・ウェイランドです。
前作「プロメテウス」の終盤にでてきたしわくちゃの老人と同一人物。
わかりづらいですが前作の老人もガイ・ピアースが演じており、本作でやっと生身のガイ・ピアースが登場します。
ちなみに、スピンオフ作品「エイリアンvs.プレデター」で登場したビショップ・ウェイランドはピーターの父親か親族でしょう。
同作の舞台の方が、年代が古いので。
謎の宇宙船の正体
主人公たちが惑星に降り立ち発見した謎の宇宙船の正体は、人間とエイリアンを創造したエンジニアの宇宙船です。
前作「プロメテウス」で人間とエイリアンを創造したのがエンジニアと判明し、またこの宇宙船も登場します。
ちなみに、このエンジニアと呼ばれる種族は人類を滅ぼそうと企み、前作のラストでも主人公たちを襲撃しました。
話を戻しますが、この宇宙船は初期「エイリアンシリーズ」にも登場し、そこでエイリアンが生まれます。
またエイリアン1では、宇宙船内部にいたコクピットに座る異星人のことを「スペースジョッキー」呼んでいました。
本作でも
- スペース・ジョッキーの存在
- エンジニアの地球滅亡計画
- 謎の黒い粉(劇中では病原体と表記)
については詳しく説明されていません。
続編に期待しましょう。
エリザベス・ショウ博士とは?
劇中ではエリザベス・ショウという博士の名前が何度もでてきましたが、彼女は前作「プロメテウス」の主人公。
前作で科学者として、LV-223という惑星に降り立ちますが、そこでエンジニアの謎に迫ったために夫をなくし、自身も一度エイリアンに寄生されてしまいます。
ラストではエイリアンを体内から取り除き、前述したように人類を滅ぼそうとしたエンジニアに復讐するため、彼らの故郷へ向かいます。
しかし、本作で明らかになったようにデヴィッドに実験台にされ、死亡しました。
本作で登場したエイリアンの種類
ネオモーフ
本作で登場した新種のエイリアン。
全身真っ白で、既存のエイリアンよりも素早いのが特徴。
謎の病原体を吸い込んでしまった乗組員の体内から産まれ、短期間で急成長をとげる。
「エイリアン3」にでてきたドッグ・エイリアンのように4足歩行で襲ってくるが、二足歩行も可能。
口は1つだけだが、捕食時は大きく口をあけて攻撃してくる。
ゼノモーフ
オラム船長から産まれたエイリアン。
「エイリアン1」に登場したビッグチャップで、口内にもう1つ小さな口があり、それを使って攻撃してくる。
細長い尻尾を有しており、また4足歩行で移動する。
「エイリアン1」にも登場したことから、同作と本作には密接な関係がある模様。
フェイスハガー
エイリアンエッグから生まれるカブトガニのような生物。
人間や動物などの母体を発見すると寄生し、チューブを使って寄生体を産み付ける。
人間でいうところの生殖器で、寄生体を産み付けられた母体の体内でエイリアンの幼体(チェストバスター)が成長し、突如突き出して生まれる。
初期の「エイリアンシリーズ」にも登場。
エイリアンエッグ
フェイスハガーが眠っている卵。
エイリアンクイーンが産む卵で、「エイリアン1」で初登場。
フェイスハガーが生まれる際は、上部が4つに裂けるのが特徴。
しかし、本作ではクイーンは登場せず、デヴィッドがショウ博士を実験台にし、研究して産み出したことになっている。
続編「エイリアン アウェイクニング」とは?
前作「プロメテウス」が発表された際、三部作構成であることも発表されました。
「エイリアン:コヴェナント」は新シリーズの二作目であり、三作目のタイトルは「エイリアン アウェイクニング」に決定しています。(2018年に公開予定。)
しかし、時系列は、
- プロメテウス
- アウェイニング
- コヴェナント
となるそうで、次作でエンジニアやエイリアンのすべての謎が判明するそうです。
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