みなさんこんにちは。下町バットマンです
目次
映画ライターになる方法
今回、この記事の参考にしたのはこちらの本。
著者は現職の映画ライターで、映画ライター講座の講師もしているまつかわゆまさん。
彼女は大学生のころから映画ライターに憧れていたそうで、お子さんが大きくなったいまでも映画ライターとして収入を得ています。
もちろん、この本を読んだからといって映画ライターにはなれません。
むしろ、この本は映画業界の実態がこと細かくかかれおり、はじめて読んだときは映画ライターになるのってこんなに大変なのかと、心が沈んでしまいまいました。
しかし、社会に出る前に自分が志す業界のことは上辺でもしっておくべきだとぼくは思っています。
なぜなら、知識があるとないとでは、ときに自分にとって有利にも不利にもはたらくからです。
この本を読んで、映画ライターをあきらめるのか、それともなりたいと思うのかは個人の自由。
無理だと思ったら自分はそこまで本気じゃなかったと気付けるはずだし、より志す気持ちが強くなったらそれはそれで儲かりもの。
それでは映画ライターの実態をこの本を元にいくつか紹介していきます。
そもそも映画ライターとは
映画ライターとは映画についての文章をかく人のこと。
もっとくわしくいうと、雑誌やテレビ、ラジオ、ウェブといった媒体で映画についての記事をかいてお金をもらう職業のことです。
そもそも映画ライターに限らず、ライターという肩書きはつい最近できたもの。
そのため昔は「映画評論家」と呼ばれる方達が映画の記事をかいていましたが、
いまでは、
- 映画コラムニスト
- 映画エッセイスト
- 映画ジャーナリスト
- 映画記者
- 映画作家
など様々な肩書きが存在します。
もちろん、それぞれ仕事の役割は違ってきます。
ぼくたちがよく聞く、映画ライターと映画評論家でくらべてみると、「映画ライター」は新しい映画を一般の人に紹介する記事を書くひと。
「映画評論家」は映画全般にたいして知識をもとに分析し、映画に興味のあるひとに向かって記事を書くひと。
映画ライターが素人向けに記事をかいているとしたら、映画評論家はどちらかというと玄人向けに記事をかいていきます。
ちなみに、映画ライターは会社員の方もいますが、ほとんどがフリーライター(組織に属さず、フリーランスとして活動する)です。
そのため、会社員のように毎月決まったお給料をもらうことはできません。
自分で仕事をとってこないと生きていけないのです。
しかし、逆をいえば自分で映画ライターだと名乗り、勝手に名刺をつくってしまえば誰でも映画ライターになることができます。
いきなり、映画ライターになる方法の答えが提示されているわけですが、芸人しかり、ミュージシャンしかり、なるのは簡単ですが、それで食っていけるかは自分次第ということです。
映画ライターが思ったより大変な4つの理由
興味のない映画もみなくてはいけない
映画ライターは好きな映画を毎日浴びるようにみて、それについて記事をかいてお金をもらう。
映画好きのぼくにとって、「なんて理想的な職業なんだ!」と思っていました。
実際、映画ライターの生活の中心は映画をみて原稿をかいていくことです。
しかし、自分好みの映画だけをみていては仕事になりません。
なぜならば、どの作品が仕事に直結するかわからないからです。
先ほども言いましたが、映画ライターはフリーランスです。
誰かに指示されて、働くわけではありません。
例えば、Aという出版社がターミネーターについての記事が欲しいというなら、ターミネーターをみないと仕事にはなりません。
また、Bという女性誌がタイタニックを元にした恋愛記事を欲しがれば、タイタニックを鑑賞する必要があります。
これはあくまでも一例ですが、その時公開される注目作はまず全部みる。
そして、出版社や編集者から声がかかってきた時に、いつでも記事をかける準備をしておかなければ、映画ライターとしては食ってはいけないようです。
そのため、つまらないと思った作品でも途中でみるのをやめることはできません。
その作品が仕事につながることがあるかもしれないから。
逆にこの映画面白い!是非、記事にしたいと思ってもお声がかからなければ、文章にすることはできません。
それが映画ライターもとい、フリーライターというものです。
仕事は書く以外にもたくさんある
今の時代、映画の記事をかくだけで食っていくのは至難のわざ。
それができるのは、ほんの一握りの天才か、大御所のライターさんだけです。
そのため、多くの映画ライターは書く以外にも多くの仕事を引き受けています。
- イベントを企画する
- テレビ・ラジオに出演する
- 試写会をコーディネートする
- 映画アドバイザーになる
テレビ・ラジオに関しては、有村昆さんや町山智弘、ライムスター歌丸、高橋ヨシキさんが有名ですね。
テレビで新作映画の解説をしたり、自分のラジオ番組をもっていたり。
この方達は業界でもかなり売れっ子です。
また、映画会社が企画する映画イベントに携わっていくことも映画ライターの仕事の1つです。
宣伝する映画の紹介記事をかいたり、小さなイベントだと司会も任されることがあるそうです。
このように映画ライターといっても表舞台にでようと思えばいくらでもでることができます。
つぎに、試写会をコーディネートするというのは、その名のとおり一般公開される前の試写会の裏方にまわり、広報の仕方や応募ハガキの管理といったことをしていきます。
ちなみに、映画アドバイザーも裏方の仕事で、テレビに出演するアナウンサーやタレントのために原稿記事をかいたり、どのような映画を取り上あげれば番組がもりあがるかなどを、テレビスタッフと相談して番組をつくっていきます。
少し余談ですが、まれにタレントや芸人さんが、あたかもその映画をみたかのように感想を述べていることがありますが、あれは映画ライターもしくはアドバイザーが書いた原稿を暗記して、読んでいるだけです。
テレビ業界ってそんなもの。
テレビやイベントなど、表舞台に出たくない人は徹底して裏方に回るのもありだと思います。
そこら辺はその人の性格次第ですね。
自ら動かないと仕事が発生しない
ほとんどの人がフリーランスである映画ライターの場合、まっていても仕事はきません。
映画ライターとして名乗ったのはいいものの、仕事がないのでは意味がありません。
仕事を獲得する方法は大きくわけて3つ
- 営業をする
- コネ
- ブログを運営して実績をつくる
まず、コネも実績もない人は営業をするしかないようです。
それこそ、出版社に自分の書いた原稿をもちこんだり、ウェブサイトから連絡をとって出版社に自分を売り込むなど、地道なことをしていくしかありません。
これはライター関係なくどの職業もそうです。
ぼくの親戚の脚本家は、仕事がまったくないころ、毎日のように自分の作品をテレビ局や出版社に持っていって、仕事をくださいと営業回りしていたそうです。
最初は怪訝な顔をされるそうですが、諦めずに何度もいくと中には仕事をくれる人もいるんだとか。
ちなみに、この本の著者のまつかわさんは、会社員時代のコネをつかって最初の仕事をゲットしたそうです。
最初からフリーランスとして活動するのではなく、出版社や編集プロダクションに所属し、そこから独立するケースが1番の正攻法です。
なにより、コネも信頼もあるため、仕事を振るほうもどこの骨の馬か分からないような奴かは、知っている人の方が安心できるからです。
そして、最後のブログを運営して実績をつくるというのは、今の時代だからこそできる方法。
ぼくは実績をつくるよりというかは、自分の感情を吐き出すためにブログを運営しているので、参考にはならないと思いますが、実際に映画ブログをベースに映画ライターとして活動をしているブロガーの方はいます。
また、ブロガーと名乗ればブログ関連の仕事もいただけるようになるので、生活には困っていないようです。
最初は報酬がゼロもありえる
これに関してはピンからキリと答えるしかないようです。
実際、この本にもこのように書かれています。
フリーライターには昇給はありません。
給与基準というものもなく、原稿料も同じ一ページでもタダから十万円代までさまざです。
媒体の種類、雑誌の編集部、会社によってもギャラはさまざま。
素人でも書かせてもらえるかわりにギャラはなし、ということもあります。
はっきりいって映画業界とわず、ライターのお給料は低いです。
新人は1000文字以上文字かいて1000円もらえればいいほう。
ぼくもこのブログとは別に外部の媒体で記事をかいていますが、初めのころは安かったですね。
ただ、実績を積めば給料は上がっていきます。
というより、これくらいの実績があるんだから、これくらい下さいと給料交渉の時に武器として使えるわけです。
ちなみに、映画雑誌は200文字で2000円が業界の最低基準。
高いか低いかは個人の感覚ですが、ぼくの感覚だとかなり高額です。
ちなみに、テレビやラジオへの出演、イベントの企画などに携わればその分、ギャラもあがります。
表舞台で活動できるようになれば、芸能人のように「納税額がハンパないんですよね」と自慢することもできます。
最後に、映画の文章を書く際に気をつけることは
この本では映画の文章術についてもいくつかアドバイスが書かれているのですが、その中でも心に響いたものを紹介します。
当然のことのようですが、個性的な記事を書くためにはまず、自分の個性を知ることからはじめます。
それは、自分は何か、ということです。
最初に、自分は普通だとか平均だと思うことをやめてみませんか?
あなたが普通、常識、平均的、平凡と思っていることが隣の人の普通、常識、平均点、平凡ではありません。
それはあなたなりの考えであり、あなたの個性なのです。
中略〜
まず、例えば一本の映画を見て、自分はどんなジャンルを、なぜ好むのか、それはどういう視点、方向からみているからか、その映画の何を知りたいのか、その映画から何を学ぶのかを考えてみましょう。
自分の好みがわかり、映画に期待することは何かがわかります。
そして自分の視点や物事を判断する理由がわかり、どん情報を重要とするかがわかり、自分の興味との関係がわかります。
中略〜
映画、とくに劇映画は人の行動を描くものです。
必ず人間が描かれます。
その人となり、なぜこういうことをしたのかという行動の理由を理解することが映画を理解するよすがになるのです。
以前から映画の感想やレビューは普通の文章を書くよりもかなり難しいと思っていたので、こちらのアドバイスはかなり参考になりました。
また、文章術アップの具体的な方法については、このようなアドバイスがありました。
文章がうまくなりたい、自分のスタイルを作りたい。
ならば、まずは自分の好きな作家の文体を真似てみましょう。
学ぶは真似ぶから、です。
人はだれしもクリエィティブな作業をしようとするとき、自分しか作れない独創的な作品に仕上げようと試みます。
しかし、いざ出来上がってみるとそれは誰かの劣化版コピー。
ぼくもよくインターン時代にそんなミスをして、上司に怒られていました。
結局、ぼくみたいな凡人の中の凡人は、人の文章を真似て、基礎と感覚をつかみ、そこから自分のスタイルを確立していくしかないのです。
ぼくはこの本をよんで最初は落ち込みましたが、最近はいつでも初心に戻れるように、常にもち歩いています。
この記事でかいたことは著書のほんの一部分でしかありません。
しかし、厳しいこともあれば楽しいこともあるように、映画ライターもきついばかりではありません。
なにより、映画ライターとして食っていけるようになったら毎日映画のことだけを考えてられるわけですから。
また、無料で世間よりも一足先に注目作をみれるというメリットもあります。
映画ライターに少しでも興味をもった方は、今回紹介した書籍を購入しても損はないかと思います。
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