みなさんこんにちは。下町バットマンです。
世間より一足先に、「トランス・フォーマーシリーズ」で知られるシャイア・ラブーフ主演の「マン・ダウン 戦士の約束」を試写会で鑑賞してきました。
骨格はクリント・イーストウッドの「アメリカン・スナイパー」に近い作品で、本作のキャッチコピー通り、鑑賞後は心がえぐられます。
本当に哀しくてやるせない作品で、また、戦争の本質を学ぶことができました。
ここからネタバレ全開になります。自己責任でお読みください。
目次
「マン・ダウン 戦士の約束」作品概要
あらすじ
あらすじ
妻子を故郷に残してアフガニスタンの戦場へ旅立ったアメリカ海兵隊員ガブリエル・ドラマーは、過酷な任務を終えてアメリカに帰還する。しかし、故郷の街はまるで異世界のように荒廃しており、住人たちの姿も消えていた。ガブリエルは一緒に帰還した友人デビンと共に、行方のわからなくなった妻子を探すが……。
引用:映画.com
キャスト・スタッフ紹介
- 制作国 アメリカ合衆国
- 公開年 2017年
- 上映時間 91分
- 監督 ディート・モンテュエル
- キャスト シャイア・ラブーフ、ゲイリー・オールドマン、ケイト・マーラ、ジェイ・コートニー
主演は「トランスフォーマー シリーズ」で知られるシャイア・ラブーフ。
脇を固めるのは、「ダークナイト トリロジー」でジェームズ・ゴードンを演じたゲイリー・オールドマン。
また、「オデッセイ」のケイト・マーラや「スーサイド・スクワッド」のジェイ・コートニーも出演しています。
採点
評価基準
- S・・・・・これぞ後世に語り継がれていく名作!!DVDも買う!
- A・・・・・素晴らしかったです。DVDでたら借ります。
- B・・・・・まあ、普通。
- C・・・・・微妙。人にはオススメしない
- F・・・・・ふざけんな!金返せ!!!
採点 A
こんな人におすすめ!
- アメリカの社会問題を勉強したい方
- 帰還兵や退役軍人の悲惨な現状を知りたい方
- 親子愛を題材にした映画が好きな方
気になるラストまでの展開・結末
ラストまでの展開
主人公で海兵隊員のガブリエル・ドラマーはペイトン大尉から面談を受けていた(物語はここで語られるガブリエルの様々な回想を元に進んでいく)
↓
物語序盤はガブリエルが海兵隊に入隊した直後まで遡る。彼は海兵隊の長期間に渡る厳しい訓練を受けていた。毎日のように上官から罵倒される日々。しかし、なんとか家族同然の友人デビンと海兵隊の厳しい訓練を成し遂げたガブリエルは、一旦家族の待つ故郷へ帰還した。
↓
妻のナタリーと子供のジョナサンと何不自由ない、幸せな生活を送っていたガブリエル。しかし、そんな彼にアフガニスタンへの派遣命令が下される。
↓
ナタリーとジョナサンは必死に反対するも、ガブリエルは軍人として使命を果たすために、アフガニスタンへ行くことを決意。また、いじめられっ子の息子ジョナサンに「マン・ダウン=愛している」という2人だけしらない秘密の合言葉を教える。ガブリエルは寂しがり屋で臆病な息子を慰め勇気付けるために、この言葉を教えたのであった。
↓
アフガニスタンで怪我から復帰したデビンとバディを組んで、様々な任務をこなしていくガブリエル。しかし、現地での任務は想像以上に激しいもので、彼の精神は徐々に疲労していった。
↓
そして、とある事件が起きてしまう。それはいつものようにアフガニスタンの街を戦車で巡回している時のことだった。ガブリエルとデビンの部隊が、いきなり現地の民兵から奇襲をうけたのだ。
↓
なんとか応戦することに成功したガブリエル達は、そのまま民兵達が隠れていた建物に潜入していく。
ラストの展開・結末
場面は変わり、ガブリエルとデビンは荒廃した故郷に来ていた。彼らはなんとかアフガニスタンでの任務を終え、アメリカに帰ってきていたのだが、街の大半は崩壊していて、妻のナタリーや息子のジョナサンの姿はどこにも見当たらない。
ガブリエル達が街を探索していると、1人の浮浪者と出会う。ガブリエルはナタリーとジョナサンの写真を彼に見せ、所在を問うが彼は知らないと言う。しかし、何日か行動しているうちに、浮浪者がジョナサンの名前をふと口にする。息子の居場所を知っているのかと問い詰めるガブリエルだったが、彼の口から妻や息子の情報を聞き出せずにいた。
ある日、ガブリエル達は人の気配を察知する。どうやら遠くの建物に誰かが潜んでいるらしい。ガブリエルとデビンが双眼鏡で様子を覗いていると、浮浪者が突如逃走しようとガブリエル達を襲撃。しかし、デビンが誤って撃ち殺してしまう。
そうこうしていると、遠くの建物から息子のジョナサンが何者かに連れされているのを発見。ガブリエルは後をつけ、ジョナサンを救出するために建物への潜入を試みるのであった。
場面は再度変わり、物語はまたアフガニスタンへのシーンへと戻る。
実はここまでの一連の騒動は、全てガブリエルの妄想の世界の話だったのだ。
現実は民兵達が潜んでいた部屋に潜入したガブリエルとデビンの部隊だったが、そこでデビンは敵に撃たれて死亡。しかも、死後デビンの身辺整理をしていた時に、彼と妻のナタリーが浮気をしていたことに気づいてしまったガブリエル。
「荒廃したアフガニスタンでの激務、友人の死、妻の裏切り。」
この3つの要因が重なり、ガブリエルは自分でも知らないうちに重度の精神病を患っていたのである。彼がアメリカ本土へ戻る前にペイトン大尉から面接を受けていたのも、精神に異常がないか確認するために行われていたのだ。
しかし、ぱっと見は異常がないガブリエルは、そのままアメリカへ帰国。そこで、酷い妄想にかられパニッくなり、街中で妄想の中のデビンと会話しながら、目の前に妻と息子がいるのに、家族を捜すと言い、1人で街を徘徊していたのである。
そして、ガブリエルは妄想の世界と知らないまま、自宅を襲撃。ジョナサンを助けたつもりが、実はただ単に家から連れ出しただけだったのだ。
ガブリエルの暴走は止まらず、そのまま警官を1人殺してしまう。泣き叫ぶジョナサン。そして、そこに妻のナタリーが登場。必死にガブリエルに呼びかけることで、彼はギリギリのところで我に帰る。
しかし、我に帰ってスキができたところでスナイパーに撃たれてしまうガブリエル。息子ジョナサンに「マン・ダウン=愛している」と告げる彼の目は遠くを見つめていた。
【ネタバレ感想】「マン・ダウン 戦士の約束」
理解に苦しむ前半
ぶっちゃけ、前半部分は時系列がぐちゃぐちゃで「???」の連続。
ストーリーも一定のリズムなので、あくびが止まりませんでした。
- ペイトン大尉との面談
- 海兵隊員になるまでの過程
- アフガニスタンでの出来事
- 主人公の妄想世界
物語は主人公の面談で語られる回想シーンをメインに進んでいくのですが、4→1→4→3といったように、時系列がめちゃくちゃなストーリー構成なので、初見は必ずパニくると思います。
最初はクリストファー・ノーラン監督の「メメント」ぽいなと、余裕をもって観れていたのですが、途中から頭がごっちゃになり、少しイラッとしました。
「観客に不親切すぎないか?」と。
ただ、あの重くて悲しいラストを考えれば、このプロットで良かったのかなと思えている自分がいます。
日本ではほとんど報道されない米国の闇
さて、本作はアフガニスタンでトラウマを抱え精神病を患った帰還兵が、アメリカ本土へ戻ってきたものの、パニックになり暴走。
最後は息子の前で銃で撃たれてしまうといったお話(死んではいません)
戦争で心に傷と闇を抱えた軍人を題材にした映画というと、クリント・イーストウッド×ブラッドリー・クーパーの「アメリカン・スナイパー」や、トビー・マグワイアの怪演が話題になった「マイ・ブラザー」が有名かと。(古いものだと個人的にはティム・ロビンスのジェイコブス・ラダーが印象的かなぁ。)
もちろん、他にも帰還兵や退役軍人を題材にした作品は腐るほどあり、この手の作品は毎年のようにつくられています。
なぜ、ハリウッドは軍人の心の闇に焦点を当てた映画を大量に製作するかというと、彼らはアメリカ社会の闇であり、そして、もっとも悩ましい問題の1つだからです。
軍人という聞こえはいいですが、現役を退いたほとんどの帰還兵や退役軍人は、身体の一部が破損していたり、戦場でのトラウマで精神病を患っています。
特にイラクやアフガニスタンなど、中東周辺地域での戦場に参戦した軍人の現状は相当むごい。
- 5人に1人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)
- 20万人がホームレスで苦しんでいる
- 1日に約22人の人間が自殺を図っている
これはエンドロールの際に表記される、帰還兵の現状。(たぶん、ほとんどの日本人はこの事実をしりません。)
また、こちらはとある退役軍人の実情を映した動画になります。(※あまりにも苦しくて胸が痛くなる内容となっています。自己責任で視聴してください。)
日本ではほとんど報道されないアメリカの闇。
誰が悪いとは一概には言えません。ほとんどの軍人は自ら進んで入隊するわけですから。 除隊後、自分が何かしらの事情で苦しい生活を送る羽目になる可能性があると、分かっていたはず。
しかし、アメリカのように様々な国から敵対視されている国家には、軍人は必要不可欠。軍人がいるからこそ、一定の平和を保てているのです。
このあまりにも残酷で哀しい矛盾を巧みに描いているのが本作「マン・ダウン 戦士の約束」
僕たち日本人は戦争というものとあまりにもかけ離れているため、戦争そのものをフィクションの世界として捉えがちですが、戦争はしっかりといろんな地域で実在しています。
そして、終戦してから70年以上たったいまでも、多くの人が戦争の被害を被っているのです。
本作の内容は本当にあり得ることなのか?
画像引用:映画.com
たしかに素晴らしい作品であることは否めないのですが、1つだけ気になることがあったんですよね。
それは、主人公ガブリエルのように人は精神病を患うと、現実と妄想世界の区別がつかなくなるほど、酷い状態に陥るのか?という点。
よく、統合失調症を患った人は酷い幻覚や妄想に悩まされて暴走してしまうため、ほとんどの患者さんは入院して療養すると聞きますが、本作の内容はさすがに過剰すぎやしないかと思ったわけです。
そんなぼくの疑問の答えが、試写会でもらった非売品のパンフレットに記載されていました。
外交ジャーナリスト・作家の手嶋龍一さんが寄稿した文には、このようなことが書かれています。
「遥かに太平洋の海原を望むワシントン州のオリンピック半島を訪ねたことがある。そこには広大な温帯雨林の森林が広がっていた。この一帯には心を病んだベトナム帰還兵たちが棲みついていた。」
なぜ、彼らは家族の元ではなく、森で生活しているかというと、戦争で精神を病み、自分の内なる暴力を抑えることができず、ついには朝起こしに来てくれた母親を敵と思い込み、絞め殺そうしてしまうから。
そのため森の奥に潜み、孤独に生きることを選択したそうです。
あまりにも哀しすぎるエピソード。
どうやら本作の内容は、現実に起こってもおかしくないことのようですね。
最後に
近年の戦争の現状は本作が示しているように、泥臭くて残酷で、直視できないもの。ぼくら日本人が想像する、かっこいい戦場などは存在しません。
あのドナルド・トランプ大統領も「帰還兵の精神衛生改善が必要」と公言しているほど、帰還兵や退役軍人の抱える闇は深いのです。
できれば多くの人に見てもらいたい。
そして、知ってもらいたい。
今回はそんな意味を込めて感想を執筆しました。
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