みなさんこんにちは。シタマチです。(下町バットマンから改名)
「ザ・ギフト」や「ノクターナル・アニマルズ」など、毎年ハイレベルな洋画が必ず一本は輸入されますが、2018年度は本作で決定。
100点満点をあげたいほど、不気味で苦しくて、美しい重厚な作品に仕上がっています。
そして、不意を突くショッキングなオープニングと終盤の展開が秀逸で、個人的は本作にオスカーを送りたいくらい。
脚本、音楽、キャストすべてが素晴らしく、心の底から満足できる名作でしたね。
ブラボーです。
この記事では、
- 作品の概要
- 登場人物紹介
- ラストの展開
- ネタバレ感想
を紹介していきます。
ここからネタバレ全開になります。自己責任でお読みください。
目次
「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」の作品概要
あらすじ
郊外の豪邸で暮らす心臓外科医スティーブンは、美しい妻や可愛い子どもたちに囲まれ順風満帆な人生を歩んでいるように見えた。
しかし謎の少年マーティンを自宅に招き入れたことをきっかけに、子どもたちが突然歩けなくなったり目から血を流したりと、奇妙な出来事が続発する。やがてスティーブンは、容赦ない選択を迫られ……。
引用:映画.com
キャスト・スタッフ紹介
- 制作国 アメリカ合衆国
- 公開年 2018年
- 上映時間 121分
- 配給 ファインフィルムズ
- 監督・脚本 ヨルゴス・ランティモス
- 映倫区分 PG12
- キャスト コリン・ファレル/ニコール・キッドマン/バリー・コーガン
監督は「ロブスター」や「籠の中の乙女」など、斬新で奇抜な作品を撮ることで有名なヨルゴス・ランティモス。
主演を務めるのは、「トータル・リコール」や「フォーン・ブース」で知られるコリン・ファレル。
名女優ニコール・キッドマンも出演しており、こちらの2人は2018年2月公開の「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」でも共演しています。
また、「ダンケルク」で一躍有名になった、バリー・コーガンも謎の少年役で出演しています。
採点
評価基準
- S・・・・・これぞ後世に語り継がれていく名作!!DVDも買う!
- A・・・・・素晴らしかったです。DVDでたら借ります。
- B・・・・・まあ、普通。
- C・・・・・微妙。人にはオススメしない
- F・・・・・ふざけんな!金返せ!!!
採点 S
「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」の主要登場人物
スティーブン/コリン・ファレル
過去にアルコールを摂取したまま手術を行い、患者を死なせた過去を持つ。
その患者の息子マーティンに復讐の対象として付け回される。
しまいにはマーティンに呪術をかけられ、娘のキムとボブは身体に麻痺が生じ、歩けなくなってしまう。
最後はマーティンの呪術を解くために、息子ボブを殺害する。
マーティン/バリー・コーガン
過去にスティーブンの職務怠慢によって父親を殺されており、復讐の対象としてスティーブンをストーキングし、呪術をかける。
また、娘のキムに近づき洗脳していく。
スティーブンに家族の誰か1人を殺さないと全員死ぬと告げ、結果スティーブンは息子のボブを殺す。
アナ/ニコール・キッドマン
マーティンの呪術を恐れ、彼に従っていく。
一見家族を大切にしているように見えるが、マーティンの呪術を知った際は子供たちではなく、自分の命を優先した。
「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のラストの展開
神経外科医のスティーブンは、美しい妻のアナ、娘のキム、息子のボブと、郊外の豪邸で何不自由ない生活をしていた。
しかし、そんなスティーブンには1つだけ隠し事があった。それはマーティンという青年との奇妙な関係。
マーティンは、過去にスティーブンが担当した患者の息子で、自分のせいで彼の父が死んでしまったと罪悪感を感じており、金銭面と精神面でサポートをしていたのだ。
また、マーティン自身もスティーブンを好いていたことから、スティーブンは彼を自分の家に招待する。
アナやキム、ボブはマーティンの持ち前の人柄の良さを気に入り、とくにキムはマーティンに恋心を抱くようになる。
しかし、それから数日後、息子のボブがいきなり歩けなくなってしまい、いくら病院で検査をしても理由が判明しない。
また、この頃からマーティンがスティーブンの前に頻繁に現れるようになり、彼を強引に食事に誘うようになる。
息子のボブの容体とマーティンのストーキングに嫌気がさしたスティーブンは、マーティンを避けるようになるが、それでも彼は会いたいと連絡を送ってくる。
そして、ある日のこと。マーティンはスティーブンの前に強引に現れ、自分の父を医療ミスで殺したスティーブンに報いを受けてもらうと言い放つ。
家族が順番に1人ずつ、体の一部に麻痺が起こる→食欲がなくなる→目から血が出るという症状が発症し、最後には死に至ると言いだしたのだ。
スティーブンはその言葉を信じず、マーティンと完全に距離を置くが、彼の言葉どおり、ボブとキムは足が麻痺してしまい、食欲をなくしてしまう。
ありえない事が立て続けに起こり、マーティンの話を不信に思った妻のアナは、スティーブンの過去を調査しだすのだが、ここである事実が判明する。
実はスティーブンはマーティンの父親の手術をする際、不覚にもお酒を飲みながら執刀し、彼の父親を死なせていたのだ。
こうして、アナとスティーブンは口論になり、2人は徐々に精神が崩壊していく。
そして、おかしくなったスティーブンはあろうことかマーティンを誘拐し、地下室に監禁して、一家が助かる方法を吐かせるために暴行を加えていく。
衰弱したマーティンは口を開き、家族のうちを誰か1人を殺せば全員が助かる、しかし、マーティンまたはスティーブンが死ぬ、もしくは何もしなかった場合は一家全員が死んでしまうと告げる。
スティーブンは怒り狂い、マーティンを殺そうとするが、アナが止めに入る。そして彼女はマーティンを監禁しても無意味だと気付き、彼を解放する。
また、同時に息子のボブの目から血が流れ出してしまったことで、スティーブンはマーティンの話を信じ、誰か1人殺さないと事態は収まらないと悟る。
しかし、1人に決められないスティーブンは家族を集め、自分、妻のアナ、娘のキム、息子のボブに目隠しをした上で、ロシアンルーレットのように、銃を一発ずつを撃っていく。
そして、その銃弾はボブに命中してしまうのであった。
数日後、マーティンが行きつけのカフェに行くと、そこにはボブを除いたスティーブン一家の姿があった。
キムは不思議なことに歩けるようになっており、スティーブン一家はマーティンと目を合わせたあと、何事も無かったかのようにカフェを後にする。
マーティンは寂しそうに帰るスティーブン一家を、最後までジッと見つめているのであった。
【ネタバレ】「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」の感想
食後に見たらアウト!強烈すぎるオープニング
2017年に公開された「ノクターナル・アニマルズ」もオープニングが強烈なことで話題になりましたが、本作はそれ以上のオープニング。
というのも、オープニングでは不協和音を基調としたBGMが流れるのですが、画面が真っ暗なまま。
「故障かな?」と思った瞬間に、手術中の生の心臓がどアップで映し出されます。
光沢を帯びていて、ドクンドクンと大げさに動く心臓が気持ち悪すぎて、フリスクを食べようとした手が止まりましたね。
しかも、その映像が30秒ほど続くため、これが食後だったらと思うとゾッとしました。
ディナー時に鑑賞したのですが、他の観客はよく戻さないなと感心してみていました。
やはり、この手の作品を好んで鑑賞する方は、異常者が多いようです。
食後の鑑賞はおすすめできませんので、胃の中を空っぽにしてから鑑賞しましょう。
トラウマ確定!心が不安な気持ちで一杯になる恐怖の演出
本作の特徴は、心が不安な気持ちで一杯になる奇妙な演出でしょう。
まず、音に関しては予告でも流れている、低音のバイオリンとピアノの不協和音が常に鳴り響いており、心がソワソワ落ち着かなくて、気分が悪くなってきます。(オカルト好きのぼくはむしろ好物)
次にカメラワークも気色悪くて、Jホラーにありがちな引きの画を多用しているのですが、画面の奥底でゴソゴソ何かが蠢いたり、事件が起きるわけです。
たとえば、息子のボブが突然歩けなくシーンではこのように、
引用:YouTube
あえて大事なシーンをアップで写さいので、逆に気になってしまい、とことん気味が悪くなっていきます。
「ちょっと、何してんの!?」って。
あとは、よりミステリアスな雰囲気を演出したかったのか、なぜか登場人物がみんなロボットのように、静かに淡々とた口調もキモい!
表情も一定で腹の内が読めない中で、そこからもっと恐ろしい出来事が続き、幸せだった一家がポロポロと崩壊していきます。
一体何が始まるんだという期待感を崩ず、気色の悪い演出で観客を追い詰めていく演出力がとにかく素晴らしかったです。
当分見たくない!バリー・コーガンの怪演にお腹いっぱい
引用:YouTube
主人公のスティーブン一家を崩壊させていく、謎の少年マーティンを演じたバリー・コーガンの演技に震えが止まりませんでした。
まず、物語の前半ではスティーブンとマーティンの関係性がよくわからないまま進んでいきます。
ストーカーのようにスティーブンに付きまとい、アンニュイでカオスな表情はもはやホラー。
「ザ・ギフト」のジェエル・ガードンばりに唐突に登場し、主人公の生活を蝕んでいく佇まいが気持ち悪すぎて、当分彼を見たくないです。
暴れたりするわけもなく、暴言を吐くわけでもなく、淡々と話し、淡々と主人公を追い詰めていく。
もう、トラウマもんですよ。
あと、彼がスパゲティをクチャクチャ食うシーンがあるんですけど、その食い方と表情もカオス過ぎて、当分スパゲティは食べれそうにないです。
引用:YouTube
それと、終盤の目を背けたくなること間違いなしの奇行シーン。
あれはもう、とんでもなかったです。
今思うと、サイコパスと呼ばれる人たちは頭がよく、話術に長けている人が多いと聞きますが、彼はそれをうまく体現できていて、日本の映像作品では体験できない恐ろしさでしたね。
ハリウッドはポール・ダノに続き、またあらたな怪物を生み出してしまったようです。
ニコール・キッドマンがまた脱いだ!美しい親子の裸体
アート系の香りが漂う作品なので、美しい女性の裸体を拝むことができます。
まず主人公の妻アナを演じたニコール・キッドマンは、キューブリック作品の「アイズ・ワイド・シャット」同様、またまた脱いでいます。
すごいのが綺麗なボディラインをキープし、髪型も容姿もさほど変化していないので、約20年前に披露した、美しい裸体をそのまま提供していくれています。
男性は「ありがたや~」と歓喜すること間違いなしで、ニコール・キッドマンのサービス精神に感謝しました。
あとは娘役を演じたラフィー・キャシディも母に負けじときわどいシーンを披露していて、不覚にも興奮してしまいましたね。
ただ、男の誘い方が母ちゃんとそっくりなんだから、母ちゃんを見習って全部脱いで欲しかったです。
1つ1つのシーン、カットが絵画レベル
残酷で危険な内容に相反して、1つの1つのシーン、カットが絵画レベルに美しいのもぼく好みで、何度もドキッとしました。
ここら辺は、最近はハマっている北野武監督作品と似ていて、美しい風景や画の中で登場人物たちがバイオレンスな事や、残酷なことをしだすから、ガッツり記憶に刻まれるんですよね。
映像、演出、脚本、裸体、雰囲気すべてがハイクオリティで、久しぶりに口を開けたまま、全力で楽しむことができた映画でした。
【唯一の不満点】 謎が多いストーリー
アート系のミステリー作品のため、観客に答えを委ねている点が多く、そこが気になりましたね。
とくに、マーティンがスティーブン一家にかけた呪い?黒魔術?生き霊?的なものがあまりにも非科学的過ぎて、もう少しヒントが欲しかったところ。
本作は古代ギリシアの悲劇の1つ「アウリスのイピケネイア」を参考にしているらしいですが、ほとんどの日本人が原作を知らないので、理解が難しいです。
また、セリフや劇中の絵画、聖歌隊の歌などから推測する限り、キリスト教や聖書からの引用もいくつかあると思います。
ただ、本作はそういった解釈がなくても、雰囲気や音、カメラワークなどフィリーリングで楽しめる要素の方が多いので、十二分に楽しめました。
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