みなさんこんにちは。下町バットマンです。
本日、エミリー・ブラント主演の「ガール・オン・ザ・トレイン」を鑑賞してきました。
早速、本作の解説、感想を紹介していきます。
※この記事では「ガール・オン・ザ・トレイン」の完全ネタバレをしています。自己責任でお読み下さい。
目次
「ガール・オン・ザ・トレイン」あらすじ、キャスト紹介、採点
「ガール・オン・ザ・トレイン」あらすじ、キャスト紹介
あらすじ
夫と離婚したレイチェルは、毎朝通勤電車の窓から見える、見ず知らずの「理想の夫婦」の姿に、別れた夫との幸せだった日々を重ねていた。ある朝、通勤電車の窓からレイチェルの目に飛び込んできたのは、「理想の夫婦」の妻の不倫現場だった。そして、その女性は間もなく死体となって発見され、唯一の目撃者として、レイチェルに周囲から疑惑の目が向けられてしまう。
引用:映画.com
- 監督 テイト・テイラー
- キャスト エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット
- 上映時間 105分
採点
評価基準
- S・・・・・これぞ後世に語り継がれていく名作!!DVDも買う!
- A・・・・・素晴らしかったです。DVDでたら借ります。
- B・・・・・まあ、普通。
- C・・・・・微妙。人にはオススメしない
- F・・・・・ふざけんな!金返せ!!!
採点 A
- 重厚なミステリー映画が大好きな方
- 昼ドラのようなドロドロした人間関係が大好きな方
- エミリー・ブラントの怪演が見たい方
「ガール・オン・ザ・トレイン」概要、解説【完全ネタバレ】
主人公レイチェルの哀れな本性
画像引用:http://eiga.com/movie/85580/
物語は主人公のレイチェル(エミリー・ブラント)が電車にのっているシーンから静かに始まります。彼女は、毎日路線際の立地に住んでいる「とある夫婦」の幸せなそうな生活をみて、嫉妬と羨望が入り組んだ複雑な気持ちを抱いていました。
実は彼女は少し前まで眼前にうつる「とある夫婦」のように、恋人と幸せな日々を過ごしていたのですが、とあるきっかけで破局をしてしまったのです。
ある日いつものように電車から外を眺めていると、いつも羨望の眼差しでみていた「とある夫婦」の妻が浮気しているのを目撃。
そして、そこから彼女は様々な人間の嫉妬やトラウマが入り組んだ、人間関係の渦に巻き込まれていくのです。
ここまでのあらすじは、予告編を見た方はなんとなく知っているかと思います。
1人の女性がたまたま「とある夫婦」の浮気現場をみてしまったことで、事件に巻き込まれていく。
しかし、それは観客へ向けてのミスリードで、結論からいうと主人公のレイチェルはアルコール依存症のストーカーだったのです。
物語のカギを握る登場人物紹介
物語の詳しい概要に入る前に、彼女を詳しくしるため、まずは主要な登場人物達を紹介していきます。
本作の主人公で元夫をつけまとうストーカー。離婚のストレスでアル中となる
トム (ジャスティン・セロ―)
レイチェルの元夫で、現在は違う女性と結婚しており、彼女との間には可愛い娘もいる。正式に離婚したにも関わらずレイチェルに付きまとわれている。
アナ(レベッカ・ファーガソン)
トムの夫。専業主婦で夫と娘のイーヴィーを心の底から愛している。過去にイーヴィーを誘拐しようとしたレイチェルに恐怖を抱いている。
メガン(ベイリー・ベネット)
レイチェルが毎日覗き見していた「とある夫婦」の妻で、トムの家のベビーシッター。壮絶なトラウマを抱えている。
スコット(ルーク・エバンス)
「とある夫婦」の夫でメガンの妻。彼女を束縛しており、尚且つDVに近い行為をしている。
カマル(エドガー・ラミレス)
メガンの分析医。メガンと浮気?
実はレイチェルはトムとアナ夫妻の生活を覗き見するためだけに、毎日自宅とNYを行き来していたのでした。しかも離婚のストレスでアル中になり、勤務していた広告代理店も解雇。
元夫の幸せそうな生活を監視するために、1年間毎日、電車に乗っていたのです。
また、そんな生活を続けていく中で、レイチェルは「とある夫婦」のスコットとメガン夫妻にまで気を配るようになります。
彼らは誰が見ても幸せそうな夫婦生活をしており、レイチェルはそんなスコットとメガンが羨ましくてしょうがなかったのです。
ある日レイチェルはいつものように電車から外を覗いていると、メガンが知らない男性とキスをしているのを目撃してしまいます。
それにショックを受けた彼女は、過去のトムとの関係やアル中の症状も相まって暴走。
感情のたかが外れたレイチェルは、「金曜日の夜」に泥酔状態でトムの家へ向かいますが、その道中でトムの妻アナと遭遇。喧嘩をふっかけますがそこで誰かに殴られ記憶が飛びます。
気がつくと体中血だらけで寝ているレイチェル。そしてメガンが行方位不明というニュースが流れてきます。
謎ばかりが残る中、レイチェルの元に警察が訪れ、そこから彼女はドロドロした人間関係の渦にハマっていくのでした。
物語のキーワード「ブラックアウト」
画像引用:http://eiga.com/movie/85580/special/
みなさんは「ブラックアウト」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「ブラックアウト」というのはアルコール依存症患者におきる症状で、記憶がいきなり飛ぶことを指します。
気づいたら公園のベンチで寝ていた、前日の記憶がまったく思い出せないなど、記憶障害のひとつと認識されています。
レイチェルはこの病気を患っており、「金曜日の夜」もブラックアウトによって記憶が飛んでしまったのです。
はじめに行っておくと彼女はメガンを殺していません。
メガンを殺し、この物語の黒幕となるのはレイチェルの元夫トムだったのです。
トムは元々女癖がわるく、それが原因で会社をクビになった過去がありました。
そして、レイチェルをアルコール依存症にしたのも彼で、婚約中に徹底的に彼女を暴力と恐怖政治で精神的に追い込んでいったのです。
しかし、レイチェルはアルコール依存症からくるブラックアウトが原因で記憶障害になります。
その結果、自分のアルコール依存のせいで夫婦生活が破綻したと思い込み、罪滅ぼしのために、離婚してからもトムにつきまとっていたのでした。
一方、トムはレイチェルとの婚約中に浮気していた愛人のアナと結婚。彼女との間に愛する娘イービィーをもうけます。
しかし、女好きのトムがアナとの関係だけで納得するがずありません。なんと彼はベビーシッターで近所に住んでいたメガンに手をだしたのです。
ところが、アナはトムとメガンの浮気に気づいていました。
ただ、自分も元々愛人からスタートした身。そのため、トムの浮気癖を容認しており、不安を抱きながらも沈黙を貫いていました。
トムと関係をもったメガンは、夫スコットの暴力や束縛に悩んでいました、
しかも、彼女は17歳のときに出産した我が子を、不意な事故で殺してしまったことでトラウマを抱えていたのです。
メガンは常に情緒不安定でSEX依存症でした。
そのため、夫のスコットだけでは飽き足らず、トムとも交際を持ち、自分の分析医でもあるカマルにまでいいよります。
しかし、カマルだけはスコットやトムとは違い、彼女を自分のものにしようとはせず、1人の患者として彼女を受け入れていきます。
そして、メガンはそんな優しくて紳士的なカマルに敬意をしめし、自宅のコテージでメガンに感謝のキス(唇ではなく挨拶程度)をするのですが、それをたまたま目撃したのがレイチェルだったのです。
また、レイチェルはメガンが失踪してからメガンの夫スコットに「彼女の友達」と称し近寄ります。(ぼくの考えは、レイチェルは電車でのぞき見していた時からスコットの事が気になっていたため、メガン失踪を機に近寄ったと解釈しています。)
スコットとメガン探しの行方を行っていくのですが、彼女のストーキング癖やアルコール依存がばれてスコットとレイチェルは仲たがいに。
物語は衝撃のラストへと向かいます。
【ここまでを整理】
→トムの浮気(アナ)とレイチェルのアルコール依存で破局。
・トム×アナ
→トムは浮気相手のアナと結婚。レイチェルは記憶障害が原因でトム夫妻のストーカーに。
・トム×メガン
女好きのトムはアナと婚約しておきながら、ベビーシッターのメガンと浮気。
・メガン&カマル
男女の関係はなく、あくまでも医師と患者の関係。メガンがカマルに感謝のキスをしたところをレイチェルに見られ、浮気していると勘違いされる。
・スコット×レイチェル
一時期は協力してメガンの捜査をするが、レイチェルのウソがバレ仲たがいに。
映画史に残る衝撃のラスト
画像引用:http://eiga.com/movie/85580/
レイチェルの記憶が飛んだ例の「金曜日の夜」泥酔したレイチェルは電車を降りてトムの家に向かいますが、途中でアナと遭遇。
しかし、それはレイチェルの「ブラックアウト」による記憶違いで、実は彼女はメガンだったのです。
メガンはトムとの不倫の最中で、レイチェルに嫌気がさしたトムは、彼女を殴りつけメガンと車で消えていきます。
その後トムとメガンはとある森へ入り、いつものように性行為をしようとした瞬間、メガンは妊娠したとトムに告げます。
しかし、トムは妊娠を許そうとせず、彼女に堕ろせといいつけます。しかし、メガンは過去に愛する我が子を亡くしているので、それを許そうとせず口論に。
結果、逆上したトムがメガンを撲殺し、彼女は遺体となって発見されます。
そのころ、過去の知り合いに出会ったことがきっかけで、自分が「ブラックアウト」の症状をもっていることに気付いたレイチェルは過去の忌まわしい記憶を思いだし、トムという男の本性と「金曜日の夜」の記憶が復活、メガン殺しの犯人がトムだと気付きます。
そして、それをアナに伝えるためにトムの家に足を踏み入れるレイチェル。
しかし、トムの浮気を知っておきながらも現実を受け入れようとしないアナは、レイチェルの言い分を聞こうとしません。
そうこうしているうちに、トムに感づかれてレイチェルは家の中へ引きずり込まれます。
トムがレイチェルにこれ以上関わらないよう罵しろうとした瞬間、レイチェルはアナの前でトムとの離婚の原因からメガンの殺人まで、一連の騒動をアナの前で告白します。
怒り狂ったトムはレイチェルに襲いかかりますが、それに応戦するレイチェル。
しかし、相手は成人男性。体力的に敵わないと思った彼女は、ワインの栓抜きをもって外に逃げ出します。
もちろんレイチェルを追いかけるトム。
しかし、レイチェルは隙をついてトムの喉元に栓抜きの針を突き刺します。
ここからの描写が凄まじく、喉をつかれただけなのでトムは一応息が残っていたのですが、なんと、妻であるアナが栓抜きをグリグリと回してとどめを刺していくのです。
ワインの栓抜きを使ったことがある人はわかると思いまず、螺旋状の鉄の棘は回せば回すほど奥に突き刺さっていきます。
アナは、同じ女としてトムに立ち向っていくレイチェルに感化され、今までの不満が爆発。
トムにとどめを刺したのでした。
こうして、レイチェル、アナ、メガンの女性3人は、思わぬ形でトムの支配から解放されることに。
その後、レイチェルとアナには正当防衛が認められ、レイチェルが真っ当に生きていくことを決意したところでエンドロールを迎えます。
ガール・オン・ザ・トレイン 感想 【”女性を怒らせたら怖い”は本当だった】
いやー、どっと疲れました。ここまで読んでくださった皆様もお疲れ様です。もう少しで終わるので、最後までお付き合いください。
デヴィッドフィンチャー監督の「ゴーン・ガール」やヒュー・ジャックマン主演の「プリズナーズ」を鑑賞した時と一緒で、見終わったあとは少しばかり吐き気が襲ってきましたね。(もう内容が凄まじくて。)
が、しかし!ミステリー映画としては申し分ないほど素晴らしい出来で、伏線の回収や音楽、そして演者達の迫真の演技まで、全てに納得でき楽しむことができました。
その証拠に上映中、館内はすごく静かで席を立つものはおろか、ぼくを含めほとんどのお客さんが食い入るように画面を見つめていましたね。
いろいろと語りたいことはあるのですが、結局エミリー・ブラントの演技がすごかった!というところに着地する作品かと。
前述したように彼女は元夫のストーカという役どころで、元夫の奥さんアナに壮絶な執念をいだいており、その象徴ともいえるのがトイレでのシーン。
泥酔して焦点が定まっておらず、悔し涙でとけたアイシャドウが目の下にたまり、鏡に向かって暴言を吐き散らすさまは、それはそれは恐ろしかったです。
エミリー・ブラントって一回離婚経験があるみたいですが、その時なんかあったんですか?
ハリウッドゴシップに疎いのでなんともいえないのですが、あの演技は過去に男に裏切られた経験がないとできませんよ。
幼い頃見ていたらきっとトラウマになっていたと思います。
それと音楽もよかったですね。あそこまで音楽1つで不安な気持ちになったのは、キューブリック監督の「アイズ・ワイド・シャット」以来です。
あの作品の不協和音も気持ち悪かったですけど、本作も負けず劣らず。JホラーのBGMにそのままつかえますね。
いやー、それにしてもやっぱり女性って怖いですよね。怒らすと笑
ありきたりな感想ですが、ぼくも過去に女性を怒らせてイタイ目にあったことがあります。
あれは高校時代のことなんですけど、些細なきっかけでクラスのボス的な女子と口論してしまって。まあ、簡単に説明をすると、お金のことで失礼な対応をされたので優しく怒っただけです。
そしたら彼女は逆上。ありもしないぼくのウワサを学校中にばら撒いたのです。(ぼくら世代はSNSもあるので、拡散スピードがえげつなかったです。)
卒業式の前日ということもあって、あまり気にしてはいませんでしたが、卒業後もぼくは一部の女子達からサイテーの男だと思われていたみたいです。(今はなんとか誤解はとけましたが。)
ハッキリいって、女性の怖いところは男性サイドに全く非がないとしても、まるで自分達が正義かといわんばかりに意見を主張、もしくは価値観をおしつけてくるところです。
カップルの同志の喧嘩だって最終的に折れるのは大体男性ですからね。(もちろん、男に非があるなら謝る必要なし。)
本作の女性陣達だって、思えば問題児ばかりなんですよ。
アル中&ストーカーのレイチェル。平気で人の男をとるアナ。そして殺人犯&浮気癖◎のメガン。
たしかに今回はトムにも非がありますが、彼女達は彼女達で罪深い業を背負っているわけです。
とくにアナ。
彼女は人の男を奪っておいて、トムの浮気と殺人がわかった途端、最後はしてやった顏で彼にグリグリとどめをさすわけですから。
洒落にならないほど怖いですよ。
別に女性蔑視するわけではないですが、ぼくの女性不審に拍車がかかった作品でした。
映画の内容をもっと深堀したい方におすすめです。
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